作者 生没年 |
クロード・モネ Claude Monet 1840-1926 |
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制作年 | 1908年 |
サイズ | 縦 101.0cm×横 90.0cm |
技法・素材 | 油彩、カンヴァス |
解説 | 本作はモネが68歳の1908年に描かれた15点の連作の1点で、他の連作47点とともに翌年5月、パリのデュラン=リュエル画廊における「睡蓮ー水の風景連作」と題する個展に出品されました。1906年頃から時折試みていたことですが、ここでモネは明暗の差を極力抑え、ロココ的ともいえる繊細で優美な色彩と装飾性を見せています。膨大な睡蓮の作品全体の中で、最も軽快な作風です。 モネは、睡蓮に魅せられた理由のひとつをこう説明しています。「そのイメージは無限の感覚を呼び覚ます。宇宙を構成する諸要素と、われわれの眼前で刻一刻と変わってゆく宇宙の不安定さとが、まるで小宇宙のようにそこに存在している」 よく指摘されるように、水面の一部を切り取り、クローズアップして描く方法は、「一部を描いて全体を表わす」という日本の浮世絵版画に見られるような暗示的な手法といえます。モネが、浮世絵 版画から「視点」と「表現」を学んだことは間違いなく、それは今日モネ美術館となっている彼の住居の壁に掛かる200余点に及ぶモネ蒐集の浮世絵版画からも想像できそうです。 このようなモネの東洋的な感覚を取り入れた画風の新展開に対し、さまざまな批評が行われましたが、モネは一言このように反論しました。「誰もが私の芸術を論じ、あたかも理解しなければならないかのように、理解した風を装っているが、本当は、ただ愛しさえすればよいのだ」 なお本作とほとんど同じ構図、同じ色調による同年の作品が、ウェールズ国立美術館にあります。 |
所蔵美術館 | 東京富士美術館 |