作者 生没年 |
城所 祥 1934(昭和9)-1988(昭和63) |
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制作年 | 1972(昭和47)年 |
サイズ | 56p×40p |
技法・素材 | 版画(板目木版 多色)・紙 |
解説 | 画面の中を緑色のリンゴが自由奔放にたゆたい、その動きを鮮やかな赤の背景がしっかりと受け止めています。緑と赤という強い色彩の対比は、作品全体にグラフィックデザインのポスターのような強烈な印象を持たせ、緑色のリンゴの球体が持つ清明さをも際だたせています。1960年代から木版画家として注目を集めた城所にとって、この時期リンゴは転機となった主題でした。彼はリンゴについて「確かなものにふれる必要を感じ、それが内的必然となるように自分を鍛えたいと思い、基本的な練習をしています。古典的なモチーフとなっているリンゴを再出発の地点に置いて仕事をしています。この方法で僕の判断は少しずつ正され確実になっていくように思えます。」と述べ、これまで具象→抽象→半具象とめまぐるしく変化した作風が再び具象へと回帰します。このリンゴの作品群を機に、その後の静物画や風景画へと繋がる具象路線は決定づけられることになります。 |
所蔵美術館 | 八王子市夢美術館 |