作者 生没年 |
浜口陽三 1909(明治42)-2000(平成12) |
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制作年 | 1983(昭和58)-89(平成元)年 |
サイズ | 縦62.5cm×横47.5cm |
技法・素材 | 版画(カラーメゾチント) |
解説 | 浜口陽三は銅版画技法のひとつであるカラー・メゾチントの創始者として知られます。これは黄・赤・青・黒の4版を刷り重ねることにより深い色調を出していく手法で、今日一般的となっている印刷技術と同様の原理です。さくらんぼやぶどうなどの果物、小さな生き物などのモチーフが、漆黒の背景に鮮やかに浮かび上がる作品を多く残しています。レモンを描いた本作も、黄色と黒のコントラストが美しいシックな一品です。丸ごとのレモンとともにその断面をも構図に取り込むことで、フォルムの持ち味がより際立つうえに、その爽やかな香りまでも漂ってくるかのようです。浜口は半分に切ったレモンをポラロイドで撮影して研究材料としていました。対象ととことん向き合い、じっくりと考え抜かれたレイアウトに浜口のこだわりが窺えます。浜口は食へのこだわりも強かったといいますが、食材を魅力的に見せるこうした独自の表現にも繋がっているのでしょうか。 |
所蔵美術館 | 武蔵野市立吉祥寺美術館 |