作者 生没年 |
青木繁(あおきしげる) 1882(明治15)-1911(明治44) |
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制作年 | 1904(明治37)年 |
サイズ | 縦10.2cm×横14.7cm |
技法・素材 | 油彩、板 |
解説 | 陽光の中を赤い袴をはいた女学生たちが輪を作るようにして駆け抜けて行きます。左から右へ水平に風にたなびくオレンジ色の小袖とリボン、そして臙脂色のスカートと黒い髪が印象的で、生き生きとしたムーヴメント(動感)とみずみずしい感覚が色彩と筆触にあふれています。小品ながら、楽しく若々しい青春の情景であるとともに、どこか神話的なロマンを感じさせる傑作です。万葉集に歌われているような天平時代の情景を想像して描いたものとする説もあります。 明治後半期の浪漫主義絵画を代表する天才画家、青木繁が明治37年に描いた作品のひとつです。この絵が春に描かれたとすると、当時青木はまだ21歳で東京美術学校の画学生でした。7月に同校を卒業後、恋人の福田たね、友人の坂本繁二郎、森田恒友らと房州布良(めら)の漁村に滞在し、9月に上野で開催された第9回白馬会展に有名な《海の幸》を出品して、大きな評判を呼びます。前年の第8回白馬会展で「白馬賞」を受賞した青木は、《海の幸》をはじめ《天平時代》《自画像》《海景(布良の海)》などの傑作を次々と世に送り、短い画業の絶頂期にありました。 |
所蔵美術館 | 府中市美術館 |