作者 生没年 |
野田九浦 1879(明治12)-1971(昭和46) |
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制作年 | 1949(昭和24)年 |
サイズ | 縦103cm×横86cm |
技法・素材 | 絹本着色 |
解説 | 野田九浦は近代日本画壇で活躍した日本画家。寺崎廣業の門下となり1907年の第1回文展に《辻説法》(東京国立近代美術館蔵)を出品しますが、そこで最高賞の2等賞を受賞し、華々しく画壇デビューをします。同年、大阪朝日新聞社に入社して、夏目漱石作の「坑夫」の挿絵を担当しましたが、1917年には退社・上京し制作を続けます。やがて1923年に吉祥寺東町に居住し、生涯を同地でおくりました。 本作品の題材である司馬江漢(1747-1818)は江戸時代の絵師・蘭学者であり、日本最初の銅版画師でもあります。本作中でも江漢が銅版画制作をおこなっている姿が表現されており、画房の壁面に掛かっている作品は、日本最初の銅版画・《三圍景》(神戸市立博物館蔵)でしょうか。 本作中の江漢の手は九浦自身の手の写生をもとにしたといわれています。歴史上の人物を得意とした九浦が洋風画の開拓者としても名高い江漢を題材として選び、そこに自らの手をうつすことは、江漢への憧憬の念もこめられていたのかもしれません。 |
所蔵美術館 | 武蔵野市立吉祥寺美術館 |