制作年 | 1162(応保2)年 |
---|---|
サイズ | 像高17.1p |
技法・素材 | 版画(木版) |
解説 | かつて大和国(現在の奈良県)の中川寺には、毘沙門天の彫像がまつられていました。この像は寺外に流出したのち、日本画家の橋本関雪、そして川端龍子の所蔵を経て、現在は東京国立博物館に所蔵されています。その像内空間からは、彫像と同じく毘沙門天の印仏が発見されました。 印仏とは、ほとけの姿をあらわしたスタンプ式の木版画のことで、祈りを伝えるためしばしば仏像の像内に納入されました。簡略な技法ではありながら、この印仏は均整の取れたプロポーション、各部の質感の的確な表現など、高い完成度を誇っています。現在は1枚の紙に4体が印捺された状態ですが、これはもっと大きな紙に多くの毘沙門天像が捺し並べられた状態から、伝来の過程で一部が切り取られたものです。裏面には「千躰内」の墨書があり、制作された総数がわかります。なお、同種の印仏の中には応保2年(1162)に供養されたを示す墨書を持つものがあり、印仏そして彫像の制作年代を知る手がかりとなっています。 |
所蔵美術館 | 町田市立国際版画美術館 |