作者 生没年 |
平櫛田中 1872(明治5)-1979(昭和54) |
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制作年 | 1920(大正9)年 |
サイズ | 縦238.0cm |
技法・素材 | ブロンズ |
解説 | この作品は、おそろしい形相、火焰の様子などから不動明王像を思わせますが、そうではありません。田中の生地である岡山地方に伝わる話にもとづいて制作されました。生ぬるい人間を食べた鬼が、一度口に入れてみたものの、あまりのマズさに思わず吐き出してしまうというものです。よく見ると長い舌に見えたものが、逆さまの人間であることに気づくことでしょう。 田中は、生ぬるい人間になってしまうことを戒める意味でこの作品を制作したと考えられています。 田中は大正3年から2年間、日本美術院の研究所で、塑造によるモデルを使った人体研究を行っていました。その成果を生かして、本作ではいくぶん誇張はあるものの、日本近代彫刻の一つの到達点を示すような、迫力ある肉体表現が実現されています。 本作は、田中がつとめた東京藝術大学が所蔵する木彫作品から鋳造されたブロンズ作品です。 |
所蔵美術館 | 小平市平櫛田中彫刻美術館 |