作者 生没年 |
司馬江漢(しばこうかん) 1747(延享4)-1818(文政元) |
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制作年 | 1747(延享4)または1748(寛延元)-1818(文政元)年 江戸時代中期(18世紀後半) |
サイズ | 縦91.2cm×横51.0cm |
技法・素材 | 絹本油彩 1幅 |
解説 | およそ220年前に描かれた油彩画です。油彩画と言っても、西洋から輸入された絵の具ではなく、日本独自の製法による油絵の具が使われています。荏胡麻(えごま)から採った荏の油(えのあぶら)や唐辛子などを使った媒材と、日本在来の絵の具を混ぜたものです。 作者の司馬江漢は、江戸に生まれ、初めは浮世絵師として活動しましたが、やがて30代の頃に、中国風のスタイルで花鳥画や人物画を描くようになります。その頃、平賀源内や蘭学者大槻玄沢らと交流し、更に彼の興味は、西洋へと向けられていきます。 この作品は、江漢が油彩画を描き始めた頃のものです。人物だけでなく、室内の事物や山河に至るまで、すべてが力強く表されています。余白の美しさが重視されていた当時の日本の絵画界に真っ向から立ち向かうかのような、描写に満ち満ちた画面。まさに斬新な絵画世界です。中国への憧れと西洋への思いが重ね合わされたこの掛け軸が、江戸時代の家の床の間に飾られたところを、是非想像してみてください。 |
所蔵美術館 | 府中市美術館 |